中間型、混合型インスリンを撹拌する理由

 
110A18に、「速効型インスリンは撹拌不要である」という知識が出題されています。
 

インスリン製剤の分類と目的

まずインスリンには大きく次の4分類あります
  1. (超)速効型
  2. 中間型
  3. 混合型
  4. 持効型
 
その目的は、①食後の一過性の追加分泌を補う②食事に関係のない基礎分泌を補う、の2つに分かれます。
 
速効型→インスリンの追加分泌を補う
中間型→速効型+プロタミン*→インスリンの基礎分泌を補う
混合型→速効型+中間型→追加分泌と基礎分泌の両方を補う
持効型→インスリンの基礎分泌を補う
 

 
*プロタミンはヘパリンの拮抗薬で、インスリンの作用を遅らせる作用がある。
 
名前の通り、下へ行くほど作用時間が長くなり(②基礎分泌)、一方で食後高血糖などを素早く落とす機能(①追加分泌)はなくなります。
 

撹拌する理由

中間型インスリンおよび混合型インスリンは白色混濁があり、この白色部分がインスリンです。
薬剤は均等に撹拌されてから投与される前提になっています。撹拌を行わずに注射すると、速効型インスリン成分のみが注射されてしまい、想定の2-3倍の活性が起きてしまう、というリスクがあります。

 

 
まとめ
中間型インスリン、混合型インスリンは使用前に撹拌しよう
 
 
参考
インスリン製剤の写真
撹拌不足でどうなるか