コスパ最強のCBT勉強法

こんにちは!とうためです
 
今日は医学部の低学年向けに、CBTの勉強法をまとめてみたいと思います。
 
医学部の4年生といえば、部活の幹部で夏の大会も頑張るし、臨床の試験も大変だし、特に再試がある人なんかは2日に一回試験を受けるという鬼のようなスケジュールをこなしていたりして、6年間の中でも一番忙しい時期だと思います。
低学年から続く仲良しカップでも、この忙しい時期にすれ違って別れてしまうというケースは多いようです(とうため調べ)。ちなみに僕もそうでした(僕だけ?)
 
ともあれCBTは臨床実習に出る学生の「知識面」を担保するための試験ですから、きちんと乗り越えてポリクリをenjoyしたいですよね。
そんな効率重視の医学生に贈る、CBT勉強法です!
 
 
最初に僕の基本情報です。
CBTの時期
12月
教材
QB CBT
勉強期間
5か月
一日の勉強時間 ~11月:1時間、
冬休み2週間:15時間、
直前2週間:1時間
成績
89% 
8-10月は留学していたのと、11月までがっつり臨床科目の試験、およびTOEFLの受験もあったので、早めに初めて細長くやるスタイルをとっています。直前2週間が少ないのは海外旅行に行っていたからです。
 
CBTの時期は年々早まっていて、今は夏にやる大学が多いと聞きます。
僕の時代よりもさらに、輪をかけて効率よくやる必要がある。その一助になれば幸いです!
それでは、僕が思う「効率良く、かつ臨床実習につながるCBT勉強法」を共有させて頂きます。
 
 
 

問題集はQB一択

QBに関しては、過去問集というよりは、解説の質が良いので推奨しています。
現在はプール問題から出ないと聞きますが、僕が受けた2018年でも、見たことある問題は1割以下でした
人によっては半分くらい見たことあったという人もいたようですが、CBTは人によって問題が異なるので、これは運次第だと思います。
QBから1問も出なくても、正しく勉強していれば合格点は取れます
逆に、答えだけ覚えるタイプの勉強法は今は通用しない、と考えておいた方が良いでしょう。
 
当時QBは紙とオンラインがありましたが、僕は1週目をオンラインで解いて、2週目以降を紙でやっていました。
今は紙はないと聞きますが、オンラインだけで全く問題ないと思います。
オンラインの利点は
  1. いつでもどこでも問題を解けること
  2. 病みえとイヤーノートのリンクですぐに飛べること
  3. メモを一括ダウンロードできること
この3点です。
メディックメディア以外の予備校の問題集も、友達に借りて少し解きましたが、あまり必要性は感じませんでした。
よほどのこだわりがなければQBだけでいいでしょう。3つの利点を生かしていきましょう。
 

動画を見よ

CBT対策講座でも国試対策でもいいので、動画を見ることをお勧めします。
どれか悩むという人はQ-Assistで良いです。もちろん既に別の予備校で受講してる人はそれでも良いです。
 
僕もそうだったから分かるのですが、大学の各論的な臨床科目をクリアしただけでは、頭の中で全体像が描けません。
この状態で問題を解き始めると、問題ごとに知識を1対1で覚えねばならず効率が悪いですし、何より丸暗記になり苦痛です
 
なので最低限、「免膠は聞いたことない疾患多いけど、分類としてはアレルギーと膠原病と免疫不全しかないし、全体としてのボリュームはそんなに大きくなさそうや」、くらいの肌感覚をもっておくことが重要です。
動画の解説部分を一周すればだいたいの全体像はつかめるはずです。
ここで得た全体像はポリクリでも役立ちます。
強くお勧めします。
 
直前にQBが解けてないとけっこう焦るので、3か月前までには見終わっておきたいところです。
既に3か月を切っている人は割ける勉強時間と相談してください。「全部見なきゃ」みたいな強迫観念に駆られる必要はありません。見れたところまでで儲けものと思いましょう。
 
ちなみに僕は当時Q Assistが全て無料公開されていたにも関わらず、CBTまでに見たのは『消化管の総論』と『皮膚科』だけでした。後悔しています。
ぜひ反面教師にしてください。
 

具体的な解き方

具体的な解き方です。全体的な方針ですが、僕はまとめノートを作るよりも何度も解きなおして定着させる方をおすすめします。復習は質よりも量だからです。
ただ、まとめながらやって成績の良い人も周りにいるので、そこは好みで調節頂ければと思います!
vol.4は連問なので基礎知識がないと勉強にならない、vol.5は再現なので直前で良い、ということを考慮し、vol.1~3を重点的にやる勉強法です。
 
 
①vol.1~3 一周目
例えば一日40問解くと決めたとします。
初日は40問解き、解けた問題も間違えた問題も、解説の全文に目を通しましょう。解説に出てきた知らない知識は横のメモ欄にコピー&ペーストします。
僕は解説にある病みえリンクをすべて確認していました。一つの科が終わるころには何回か同じページを目にするので、そこそこ頭に入ります。
例えば初日は40問中30問間違えたとします。
 
次の日は前日間違えた30問+新しい40問、を解きましょう。
前日にやった問題をそんなすぐ復習するのかと思うかもしれませんが、僕たちの記憶は思ったよりも、しょぼいです。
思っている3倍くらいは間違えます。つらいですが、めげずに頑張ります。
新しい問題については初日と同様です!
 
3日目、前日に間違えたすべての問題(2日前にやったもの含む)+新しい40問を解きます。
解く問題の量が増えてきますが、1度やった問題はある程度スピード感をもって解けるので、見た目の問題量より負担は少ないはずです。
 
これを毎日続けて、vol. 3まで、全ての問題が〇になるまで毎日、解きなおします。
 
②vol.1~3 二周目、vol.4,5 一周目 この時点で、合格ボーダーです
二周目は、vol. 1から、一周目と同じ方法で、全問、解きなおしていきます。
面白いことに、一周目では全問一度は正解したはずなのに、結構間違えます(´;ω;`)
これも一周目と同じ要領で復習していきます。新しい知識はメモ欄に書き足します。
二周目は、○がついた問題のうち、知識があやふやで復習しておきたい問題にブックマークをつけておきましょう。
 
vol.1~3は一周目ほど時間がかからないので、同時並行でvol.4, 5の一周目にも取り掛かりましょう。
 
余裕がある人はここで一回模試を受けておくと良いです。
 
③vol.1~3 三周目、vol.4,5 二周目 合格ラインは超えています
三周目は、ブックマークを付けた問題だけ解きなおしましょう。やり方は今までと同じです。
vol.4,5 二周目も同じ要領でやります。解きなおしたい問題はブックマークをつけましょう。
 
④vol.1~3 四周目、vol.4,5 三周目 合格ラインを余裕をもって超えています
QBオンラインの「ノート一覧ダウンロード」でノートを全部ダウンロードします。
あとはこれを繰り返し読み込みます。復習は速さが全てです。少なくても20周くらいしたいところです。
音読すると耳からも覚えられるのでお勧めです。
読みつつ怪しいところは病みえやイヤーノートで確認します。
vol.4,5 はブックマークの問題だけ解きなおしましょう!

 
多くの人は③~④くらいでタイムアップだと思います。僕は④に入ったあたりでした。
96%だった先輩は全巻5周したと仰っていました。どこまでやるかはその人が使える時間とモチベーション次第かなと思います。
 
また、この方法の良いところは、早めに始めた人は1日1問からでも、時間がない人は1日200問からでも始められることです。勉強計画を立てるのに時間をかけるくらいなら、手元にある問題集何でもよいので、とにかく早めに始めることをお勧めします!早ければ早いほど分散学習できるからです。新しい知識を覚えるためのコツはこの記事も参考にされてください。

模試について

受けんくていいです。本番は必ず時間が余るので、時間配分の練習にもなりません。
僕はテコムとメディックメディアを1つずつ解きましたがあまり役には立ちませんでした。
受験者が少ないのと本番の日程がバラバラなので偏差値や順位もあてになりません。
ただ、1回6千円くらいです。僕のように心配症な人は1つくらい受けても良いかもしれません。
 

全国一斉CBT模擬試験 | マイナビレジデント

問題数少ないですが、期間中なら無料で受けれたりもします。
 

点数を競うのは無意味

CBTには以下の特徴があります。

  1. 人によって解く問題が異なる
  2. 大学によって受験する日程が異なる
  3. 部活や臨床科目等、個人ごとの変数がたくさんある

したがって、人と得点を競うことは無意味です。

6年生になってもCBTの点数でマウントを取ったり取られたりしている人がいますが、はっきり言ってアホだと思います。

ましてや別の大学どうしで点数を比べるというのはナンセンスオブナンセンスです

試験が終わったら結果はさっさと忘れてしまいましょう。

 

勉強スタイルそのものは国試の対策にも生かせるので、うまく反省してブラッシュアップしていけると良いですね!

 

まとめ

今日の内容の復習です!
  1. QBに絞って取り組む
  2. 可能な限り動画は見ておく
  3. 昨日やったことは覚えていない!間違えた問題は合うまで毎日解きなおす!
  4. 復習は効率が大事。回転数を増やしましょう!
 
以上でした。
ではまた!
 
 

『内科救急診療のロジック』が医学生が救急の勉強をするのに最適だったので紹介します!

こんにちは、とうためです!

 

医学生のみなさん、普段どんな参考書で勉強していますか?

医学部の学生が使う参考書の定番と言えば、病気が見えるとイヤーノートですね。

僕も毎日使っています。他にも国試対策本はけっこうたくさんありますよね。最近だと『まとめてみたシリーズ』とか、使ってる人を見かけます。僕も友達に教えてもらって読みました。

例題がほんまかいなってくらい簡単だけど、確かに分かりやすかった(笑) 精神科です。

 

最近の国試は臨床に即した問題が多いとは言われますが、ポリクリを回ってみて、自分はまだまだ実臨床と解離があるように感じました。

特に、症候学。

これは臓器別の国試の問題だけでは全く心もとない。

 

たとえば国試の問題では、

○○歳 男性

【現病歴】

【現症】

【身体所見】

【血液検査】

・・・

とまとめて提示されますが、実際の救急現場でこれらの情報は一度には提示されません。1.救急車からの電話で大まかな容態を把握→2.到着したらABCDをチェックして問題があれば対応→3.血液検査やX線をオーダーしながら→3’. 同時並行で鑑別を考える→4.上級医や他科の医師にコンサル……

 

国試が終わって、いざ研修医として働き始めるのは今からきっかり1年後です。最初の当直の日、たとえば原因不明のショックの方が運ばれてきたとします。僕は、上述の対応をスムーズにこなせるビジョンが全く見えません。

だから、国試より難しいとか簡単とかではなく、手触りのある危機感として、「臨床に即した症候学」は大事だと思うのです。

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そんなこんなで、興味のある科は研修医向けの参考書を使って勉強することが多いのですが、これも実はピンキリです。「~マニュアル」みたいなやつはマジで「これを見たらこの検査をオーダー!この検査値だったらこの薬!」みたいなマニュアルしか書いてなくて、病態の記述はイヤーノート以下だったりします。ただこれは、「忙しい研修医がその時すべき対応をまとめた本」という目的を考慮すれば当然のことでもあります。あらゆるものごとに絶対的な善悪は存在せず、ただ「その目的に照らし合わせて良いか悪いか」が存在するに過ぎません。我々は自らの目的に適う本を、自分で探さねばならないのです。

 

ここまでの内容をまとめます。僕たち医学生に必要な参考書には条件があります。それは

①「実臨床に沿っており」、かつ、②「知識の少ない状態で読んでも勉強になる」参考書です。

 

医学書の記事は初回なので、前置きが長くなりました。ですのでこのブログでは、この2条件を満たす医学書を、積極的に紹介していきたいなと思っております!

 

 


 

本の紹介

動きながら考える!内科救急診療のロジック

動きながら考える!内科救急診療のロジック

 

 

この本のよいところは、以下の3点です

  1. 救急現場における「実際の動き方」が明記されている

  2. 研修医と指導医、ベテラン医の3人の会話で進むため、「研修医がやりがちな凡ミスがどのように発生するのか」が手に取るようにわかる

  3. 鑑別の挙げ方と絞り込み方を、一貫性をもって学べる

 

順に解説します。

1.救急現場における「実際の動き方」が明記されている

今年2月にあった救急ポリクリで、次のような印象的な出来事がありました。

当時僕はラグビー部出身の、ごつくて歯が真っ白なデキレジ先生について業務を見学していました。その日は救外はけっこうゆったりしていて、なんでこの病院を選んだんですかみたいなお約束の会話をしていたのを覚えています。

そこへ意識障害片麻痺の患者さんが運ばれてきました。同時にご家族も来られており、そのデキレジ先生は僕に「家族に病歴聴取しなきゃいけないから、その間にprimary surveyしてみてごらん」と言ってきました。

やや唐突な提案に混乱しながらも、虚栄心の塊である僕は元気よく「はい!」と答えて患者さんのもとへいきました

 

↓そのときの頭の中の様子です↓

primary survey……?

JCS?GCSの方が救急ではよく使うんやっけ?いや、まずは名前の確認か?ABCD??Airway, Breathing, Circulation...

てかAirwayってどうやって確認するんや???????

まず何をすればいいんや……!

 

……何とか見当識だけ確認したところでタイムアップ。当時国試の救急はサクサク解けていて、安心したるみ切っていた僕は、現実とのギャップに落ち込んだのでした。

 

そうです。

 

臨床現場では「頭の中で鑑別を挙げること」も大事ですが、

それよりも何よりも、「とにかく体を動かして情報を入手する」ことの方が最初は大切なのでした。

 

この本にはその「動き方」が明記されているのが素晴らしいです

例えばPrimaryのAなら、

視診でシーソー呼吸と陥没呼吸の有無を確認し、聴診でstridorが聞こえないかを確認する

Dで確認すべきは、

JCS・GCSによる意識レベル、共同偏視・瞳孔左右差・麻痺の有無である

と明記されています。

 

また、初期の状態把握のための簡単なエコー方法も図示されています。

それらのPrimary Survey の結果を見て、次に出すべきオーダーや血液検査がどう変わるか、エビデンスをもとに示されています

2.研修医と指導医、ベテラン医の3人の会話で進むため、「研修医がやりがちな凡ミスがどのように発生するのか」が手に取るようにわかる

これは類書とも重複する部分です。見落としがちなPitfallを、語呂も交えつつ、会話を読み進めながら学べます。

例えば、「DKAは病態に過ぎないから、治療の前に原因を考えなければならない」などです!

 

3.鑑別の挙げ方と絞り込み方を、一貫性をもって学べる

最初に総論、後半で症例(全部で7つ)という構成です。

初めに学んだ総論を7回繰り返して復習できるので、嫌でも思考の順番が頭に入ります。

そしてこれがすごく気にっていることろなのですが、本書では血液ガスの解釈を重視しています。なぜならば、血ガスは他の血液検査よりも圧倒的に早く(10分以内で)結果が出る検査であり、その解釈から鑑別診断の幅を広げられるから、です。血液ガスの分かりやすい本には他に、

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分

  • 作者:田中 竜馬
  • 発売日: 2017/02/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 などもありますが、本書のほうが実用的で覚えやすいと感じました。

また、診断に至ることよりも重篤度を把握することが重要であるというERの原則が貫かれており、救急診療での刻一刻と変化する時間の流れを体感できます。

 

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以上です!

 

まとめ

『内科救急診療のロジック』

以下の人はおすすめ!

  • 症候学に興味あり

  • ER・救急診療に興味あり

  • 救急ポリクリの直前

  • 血ガス読めるようになりたい

 

症候学や臨床推論の参考書は他にも10冊以上読んでいるので、適宜また紹介していきますね。

ではまた!