4,5年生必見!ポリクリ攻略法~実習編~
ポリクリは早い大学では4年生の後半から、多くの大学で6年生の夏前後まで続く医学部の実習です。4年生までに学習した医学知識が臨床現場ではどのように実践されているのか、医師の業務内容は具体的に何なのか、そういったことを現場で見学したり、体験したりすることが出来ます。
ポリクリ生は病院から歓迎されていない場合も多く、医師が学生の面倒をつきっきりで見てくれることは多くありません。先生同士でも学生の押し付け合いがあったりします。その結果として生じるのが謎の待ち時間です。
「とうため君、ちょっと患者さん診てから行くし、ここで待ってて~」「分かりました!」からの1時間放置、などはざらです。
本記事では、そういった時間をうまく活用するための工夫を共有します。
前提
ポリクリをハイポにやるかハイパーにやるべきか、みたいな議論があります。正直いい年をした大人なので、そんなものは自分で好きなように決めたら良いと思います。
この記事はそれらの”ポリクリ論”とは関係なく、単純に実習のアウトカムを最大化し、時間の無駄がなくなることを目標に書きました。
持ち物リスト
持ち物は重要です。毎回考えていると時間がもったいないので、持っていくものを決めておきましょう。
以下が自分のリストです。
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白衣、ケーシー、スクラブなど着るもの
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聴診器
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必要なさそうな科でも初日は持っていくのが無難
- 首にかける派と白衣のポケットに入れる派がいるがどっちでもいい。
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靴は指定が無ければ黒のスニーカーがおススメ
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汚れが目立たない、足音がしない、長時間立位でも(革靴より)楽
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スマホ、クレジットカード、千円札
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院内の食堂は現金しか使えない場合もあります。自分は名札の裏にお札を入れてました。
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ボールペン
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自分も使うし、先生に何か教えてもらうときにも使うことが出来ます。
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メモ帳
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紙のメモ帳が良いです。理由は後述
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教材を入れるトートバッグ
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クリアファイル
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時におかしな量の印刷を渡す先生がいます。そうでなくとも何かとプリント類はなくしやすいです。まとめましょう
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時間つぶし用の本1冊
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教科書でもいいし、自由時間に読むのであれば小説でも良いと思います。
教材を入れるバッグは使わない人もいますが、個人的には必須です。カンファなどでは机がなく壁際に座る場面もありますが、床に直接持ち物を置くのはさすがに汚いです。清潔で入らない場合は手術室にもっていくこともできます。両手が空くように肩から掛けられるものが良いです。
自分は無印の安いやつを使っていました。
メモ帳について
僕は普段ipad proでメモを取っていますが、実習ではデジタル派の人でも紙のメモ帳と紙の教科書を持っていくことをお勧めしています。
理由は2つです。
①外来や病棟でデバイス系を開いていると良い顔をしない先生や患者さんもいる。
②とっさにポケットから取り出し、立ったまま書くことができ、先生に図を描いてもらったり、ページをちぎって渡せたり拡張性が高い。
何よりメモを熱心にとっていると指導医からの印象が格段に良くなります。
普段デジタル管理の人は、メモの内容をそのまま写真に撮ってevernoteに入れることもできます。最近は画像内検索の性能も良いです。
①について文句を言う学生もいますが、その場にいる三者「病気で困っている患者さん」「仕事に疲れている医療者」「若くて元気なポリクリ生」が一同に介する中で、一般的な感覚では前二者に配慮するのが良いように思います。
一方で、可能な限りタブレットも持っていくのが良いと思っています。
ポリクリは待ち時間や暇な時間が本当に多いです。
すぐに調べられるように病みえとイヤーノートを入れておきましょう。自分はカンファ中に(書ける雰囲気なら)レポートを書くためbluetoothキーボードも持っていました。
wifiがつながっていれば放置されているオペ見学中にQBを解くこともできます。
医学に気が乗らない時は、kindleで本を読んでいました。
病棟実習が始まったらまずやることリスト
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一週間のスケジュール(向こうからもらえなかった場合)
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dutyの内容を確認
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レポート、プレゼン、診察、カルテ記載、朝の集合時間、opeへの参加はどの程度必須か
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時間をつぶせる場所がないか聞く
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ポリクリでは謎の待ち時間が頻繁に発生します。「空いた時間に勉強したいのですが、院内に良い場所はないですか」と聞きましょう。
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カルテの位置を確認
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カルテを探す時間は人生で一番無駄です。特に外病院でカルテ記載がある場合は確認必須です。カンファ前や引継ぎ前後は込み合うので学生は使用を避けるか、混んでいないカルテを事前にチェックしておきます。
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質問があるときに誰に連絡すればよいか確認
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指導医欄に3人くらい名前が書かれてることがあります。基本的には一番若い先生で良いのですが、一応確認しておくと安心です。
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コピー機の位置を確認
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レポートやカルテ印刷、資料印刷……コピー機を使う機会は多いです。早めに確認しましょう。
- 食堂や売店の位置を確認
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コーヒーや軽食を買って実習を乗り切ります。
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ポリクリおススメ書籍
ポリクリ全般
セイントとフランシスの病棟実習・研修ガイド 診察の仕方から業務のコツまで
- 作者:Sanjay Saint,Jeffrey G Wiese,Stephen Bent
- 発売日: 2009/11/17
- メディア: 単行本
有名な本です。実習中に学生がすべきこと、各医療者の役割と配慮すべきこと、のような実際的な話から、身体所見の取り方や鑑別の仕方などの医学的内容、果ては勉強の仕方までかなり広汎なトピックを扱っています。
すごく勉強になったのですが、やや古いです。一度手に取ってみるのが良いかも。
救急
研修医で持っている人が多い本です。イラストがカラフルで見やすいです。救急実習ではとても役に立ちます。
病院見学等では救急/当直見学をする場面も多いと思います。症候学の勉強にもなるので、持っていて損はないと思います。
それから、イヤーノートに付属しているこれもコンパクトで良いです。大事なスコアや症候ごとのポイントがまとまっています。白衣のポケットに入れていました。
外科(オペ室)
解剖のアトラス
病みえのデフォルメされた図では生身の解剖は理解できません。解剖の時使ったものがあればそれを持っていくとオペが理解できて普通に楽しいです。
イラストレイテッド外科学を持っている学生もいましたが、普通の学生にはオーバーワークだと思います。
外来
初診外来などで鑑別を考えるのにとても役立ちます。OSCEでも、大学の勉強会でも大変お世話になりました。
ただし、症候学に興味がなければ学生が買う必要は特にない本だと思います。
その他
ポリクリでは多くの科でレポート、カルテ記載などがあります。タイピングの練習はなるべく早くしておいた方が良いです。こちらも参考にしてください。